10月13日

同じマンションに、フリーカメラマンの太田耕ニさんという方が住んでいて、その方の個展に行ってきた。
場所は群馬県赤城高原近くにある、中之沢美術館。長旅だった。
最近シスコンになってくれた弟(私はブラコンだから嬉しい)と、片道3時間半かけて、美術館へ。
この日はピーカン照りで東京は蒸し暑かったけれど、さすがにこっちまで来ると、風が心地いい。

太田さんの展示 『廃墟紀行-撮りまくった30ヵ国足尾から南極へ-』

廃墟好きの私には夢のような展示だった。数こそ少ないものの、世界各地の廃墟(遺跡を含む)、存在感満天だった。
特にスペインの写真が素敵で後で聞いたら、スペインは特別好きな国なのだという。

この日はたまたま太田さんご本人も泊まり込みで美術館にいらして、また奥さんも差し入れをもってこっちまで来ていたので、
よくきたねと言って、美術館一帯を案内してくれた。自然がきもちいい。

おすすめのイタリアンがあるんだと言って連れていってくれたのは、美術館近くにある、オノマトペというカフェ。
広大な敷地の中に、カフェ、アトリエ、陶芸をする窯、茶室、炭を作る窯、宿泊用の小さな家、母屋がある。
それら全てにセンスを感じる。とにかく細部に渡っておしゃれなのだ。
特に宿泊用の小さな家は、まるでジブリ映画にでも出てくるような内装(例えるなら、魔女宅に出てくる画家の女の子の家の中)で、大興奮する。
無造作にセッティングされ丸いテーブルの脚を取り囲むように、細い草が生えていたり、家事態が洞穴みたいになってたり、とにかく素敵で。

オノマトペのオーナーは、これら全部を手作りしたのだという。建築家らしい。

太田さんはこれら建物の話や、オーナーについての話を、事細かにしてくれた。古くからの友人なのかと思い尋ねると、
「いいや、昨日知り合ったんだよ」
と太田さん。昨日の晩に宿を探していて、たまたま泊めてくれ、夜中お酒片手に語り合ったのだという。

太田さんは、写真を撮りに世界を飛び回るときも、決してホテルは予約せず、その日暮らしで宿を探すのだとか。そうじゃなきゃ出逢えない人たちがいるからだろう。

太田さんの生き方があまりにもかっこよく、なかなか言葉が出てこなかった。
写真家という自身の夢を実現させているだけでなく、人との出逢いに貪欲な太田さんには、ただただ憧れてしまう。

帰りは同じマンションだからと、車で家まで送ってもらった。
次は銀座で個展がしたいのだという。次も、必ず行きます!