忌野清志郎が亡くなったのはショックだった。
いや別に清志郎の音楽ちゃんと聴いたことあるわけじゃないんだけれど。

ただ、ジャパンロックをほとんど聴かないうちの母が昔から、「清志郎ちゃんはかわいいから大好き」と言っていて、だからこの人はただ者ではないのだなという意識で気になる存在だった。

深夜の番組で清志郎のライブを見たことがある。
ラブアンドピースを高らかに叫ぶ清志郎は、決してダサくなくて、それは本気で世界がそうなってほしいと思っているからなんだと思ったし、彼のその輝く眼が、無垢な笑顔が、すべてを物語っていると思った。



去年フジロックに行ったとき、テントサイトの入り口に、『清志郎さんへメッセージを』と書かれた小さなテントが置いてあって、テントの布にびっしりと、清志郎への応援メッセージが書かれていたのを思い出す。

その日の夜、デックスピストルズ(DJ)はRCサクセションの『雨上がりの夜空に』を流してくれて、それは私でも知っている名曲で、会場ですし詰めになりながらみんなで大合唱した。がんが再発してフジのステージに上がれなかった清志郎に、この歌は届いていると誰もが信じていた。


4月になって今年のフジロックを意識し始めた頃、今年こそ清志郎は来てくれるだろうと思った。
去年あれだけの人が大合唱したくらいの人だ、ステージに帰ってくるのをみんな待っているに違いない。


フジロックに、清志郎はもう来ない。

熱狂的なファンでもなかったのに、心臓にゴゴゴゴゴって嵐の前兆みたいなこみ上げてくる何かを感じた。
昨日から、『雨上がりの夜空に』が頭から離れない。
今日ついに動画で見たら、涙でてきた。ファンでもないのに、死んだこと受け入れたくなくて泣いた。


サンボマスターの山口が言ってた。

『人は死んでも、音楽は残る』って。


早く夏にならないかな。