Tに、会ってきた。勉強をしたいから、一人で家まで来てと言われ、しょんぼりしながら夜の公園を歩く。

部屋のドアは開いていて、ノックもせずに開けた先に、彼が優しい目をしてこちらを見ている。
彼に会う前、私は体調が悪くて急患で病院に行っていたのだけれど、それで今日は疲れたよ、と言うと、途端に心配してくれた。そんなんだったら迎えに行けばよかったわ、と言われた。そんなんじゃなくても迎えに来て。


体調も悪いし今日はセックスなしね、と決めて彼と抱き合ったが、急に悲しくなった。
最近同じことばかり考える。
私じゃなくてもこの役は務まる。私がたまたま言い寄ってきたから、ちょうどエッチしたかったんだよねラッキーとばかりに私を呼び出すんだ、きっとそうだ。

彼に背を向けて、泣き出してしまった。
彼は、泣く人が嫌いだ。それを知っているから泣くもんかと思っていたのに、涙が止まらない。考えていたことを彼にぶつけてみても、まだそんなこと言ってんのかいとあしらわれる。


泣きつかれて眠くなった頃、彼が私に覆いかぶさって、寝る前の約束は破られた。
私も私で、疲れよりも彼としたいという気持ちが強かったので、そのまま流された。
情事の後、なぜかまた涙が流れてきて、泣きながら、いつの間にか寝てた。


今日の夜は美容院に行く用事があったので、それまでお散歩をしたりご飯を食べに行ったりして過ごした。


泣くだけ泣いて寝ると、気持ちというのはすっきりするもので、
彼に必要とされてるのは私の心じゃなくて体なんだろう、という不安だって、
どうでもよくなっている自分がいる。

彼が私を必要とする理由がどんなものであろうと、私がそれをうじうじと言ってみたところで、
私自身が彼を必要としているのだから仕方ないではないか、と。

眠いから続きはあした