先日のトップランナーに、音楽家椎名林檎*1出演。
音楽を発信する人の意識って、どんな瞬間に生まれるんだろうって、思うことがよくあります。わたしは音楽がなければ生きていけないし、実際に演奏することもあるけれど、どういうわけか、自分で曲を作ったり詞を書いたりってことはしません。そんなことしなくても、世界はまわっているからっていう意識が、心のどこかにあるからだと思うんだけど。

で、林檎ちゃんが、興味深いエピソードを話していました。
東京事変で、『夢のあと』っていう曲がある。個人的にすごい好きな歌。
当時子育てに追われていた彼女。夜も更けた頃、ようやく子どもを寝かしつけた彼女は、テレビを観ていたのだという。
突然、テレビ画面が変わり、恐ろしい映像が写し出された。
9.11の、映像だったのだという。
音楽活動を休止し、子どもを生んで、当時の彼女は、「私が今しなければならないのは子どもを育てること」だと考えていたのだという。

林檎ちゃんは言う、「そう考えた瞬間に、私は社会と隔絶されてたんです。あの恐ろしい映像を見たとき、社会と隔絶された自分に気付いた。」そこでなにかを発信したい、自分の考えはこうだよ、と発信したいと思ったのだという。

そんなエピソードのあと歌った『夢のあと』。好きな歌詞で、でも、どんな意図が隠されているのかは知らなかった。涙が止まらない。

*1:こう紹介されてた